ミスターM氏は会社でのデスクワークを終えて帰宅に着いた。
会社のある根津から東京メトロ千代田線に乗り開いている席に座る。根津からこの時間でも席は空いていることが多いので平均して座れることが多い。席が空いていればミスターM氏は着座する。ミスターM氏ももう若くはないのだ。
かといって、足元が不安定そうな方がいれば、ミスターM氏はいつでも席を譲る用意がある。そのぐらいの義侠心と体力はあるのだ。
根津から東京メトロ千代田線から新御茶ノ水駅で下車し、中央線の御茶ノ水駅で乗り換える。お茶の水から駅はやがて新宿駅に着く。
ミスターM氏は東京の郊外で、以前はベッドタウン八王子とも言われた八王子市に居を構えているのだ。場所は京王八王子駅徒歩1分のマンションの一室で1Kで約20平米である。
狭いながらもユニットバスとトイレが別なのが気に入っている。
トイレとバスが一緒であると何となく落ち着かないのである。物件を探す際は駅近くでバストイレ別が条件で借りた。当然だが小さなキッチンも付いている。キッチンがあっても、お湯を沸かしてカップニュードルを食べる程度のことだけで調理はしない。
部屋には掃き出し窓側の壁に机を置いてあり、机の上には一台のノートパソコンが置いてある。ベッドはなくて寝袋に入って寝るスタイルでやっている。
ミニマリストのM氏は余分なものは所有しないのだ。衣服もいま身に付けているスーツ一式だけだ。これらの衣服はセルフクリーニング糸によって編み込まれているので、洗濯なども全く必要がないのだ。だから1組あれば足りるのだ。
早速ミスターM氏は机に向かうとパソコンの電源を入れた。
Hatena Blog を見るためである。
購読しているブログの更新情報を丁寧に見て行く。
と言っても、記事を読みに行くのではない。
ミスターM氏は記事の時間をチェックしているのだ。
「あった8時間後の記事だ」と呟くミスターM氏。
「8時間後」の記事とは、これから自分がその記事に従うべき行動が書かれているのだ。これは8時間先の未来からの、ミスターM氏に宛てた秘密指令なのだ。
一件なんということもない読書感想文なのだけどこの文章は、暗号化コード乱数表によりミスターM氏への明確な指示書となるのだ。
その指示を実行するまでの時間は、もはやあと6時間しかないのだ。急がないと自分の未来が世界の未来が歪んでしまう。
今から8時間先の指示書だから、この指示書を他のブロガーが見ればこんな悩みも起きるだろうがこれは致し方ないのだとミスターM氏はほくそ笑んだ。
この秘密の未来からの指示書は一般には分かるわけもないのだ。一見普通の文章に見えて、そこに暗号化コード乱数表を使用することにより、私への指示が隠されているのだ。
面白かった! 社会派というか、都会で起きる保活争いの壮絶さ・教育方針の食い違いなどをミステリー的な視点を導入して描いた、非常に考えさせられる一冊でした。 またいまだ女性社会という側面がある保育について、主夫という一種の異物の視点から見ることで、その異常さを浮き彫りにさせていて、うまいな、と。 ミステリー作家だけあって、小規模ながら(人が死んだりはしない)サスペンス感の演出もGOOD!
自分達は胸を張って核家族をやっている。 辻村深月作「クローバーナイト」 感想 - 脳内プラスチック化計劃 BYリモコン下駄夫
「・・・?」
「・・・・・・?」
「ほ、法則性がないっ」
「べ、別の乱数表を使おう」
面白かった! 社会派というか、都会で起きる保活争いの壮絶さ・教育方針の食い違いなどをミステリー的な視点を導入して描いた、非常に考えさせられる一冊でした。 またいまだ女性社会という側面がある保育について、主夫という一種の異物の視点から見ることで、その異常さを浮き彫りにさせていて、うまいな、と。 ミステリー作家だけあって、小規模ながら(人が死んだりはしない)サスペンス感の演出もGOOD!
自分達は胸を張って核家族をやっている。 辻村深月作「クローバーナイト」 感想 - 脳内プラスチック化計劃 BYリモコン下駄夫
「・・・?」
「・・・・・・?」
「なんの、法則性もないぞ!」
な、なんなのだ、この未来からの指示書は。
読書感想文以外に何の意味もないじゃないか、これは一体どうしたというのだ。
はてなブログ内の未来からの指示書によって、いろいろな事件や、ちょっとした出来事を画策してきたミスターMとしては、あれらもひょっとしたら全て自分の勝手な解釈によって起こしてしまった未来からの偶然の指示書と思ってしまったからなのだろうか?
そういえば、なんでというようなこんな腑に落ちない指示書もあった。深夜徘徊でスナックに寄って、音痴な歌を唄ってこいってものだけど、未来からの指示だからなにか意味があるのだろうと・・・
「いや、そんなことはない、あれは、未来の自分からの指示だ」
「いや、そんなことはない、あれは、未来の自分からの指示だ」
「いや、そんなことはない、あれは、未来の自分からの指示だなのだ」
「来たぞ、今度こそ間違いない未来からの指示所だ!」
「なんだって3039年8月20日だとおっ?」
「・・・?」
「・・・?」
「・・・?」
「・・・?」
「・・・?」
「・・・?」
「・・・・・・」
ミスターM氏はノートパソコンを閉じ、身支度を済ませると不動産屋に電話し、今月中にマンションを退去する旨を伝えた。
閉じたノートパソコンの上に乗り、腕時計のようなもので時間設定をし、そしてスタートボタンを押した。
ノートパソコンから天井に向かって目もくらむような光がオーロラ状に発しミスターM氏を包んだ数秒後、ノートパソコンと共にミスターM氏は消えていなくなった。
◇◇◇◇◇
Hatena Blog では未来の日付に設定しても記事の投稿が出来る仕様になっています。記事は予約投稿が出来るので、おそらくその仕組みを当日投稿記事にも用いていると思います。他社ブログでは当日投稿は現在時間で投稿するシステムになっていますが、 Hatena Blog にはその仕組みが導入されていないようです。
記事を未来の時間に指定してしまうと、その日時が来るまでいつまでもブログのトップページに居座り続けるので、テスト用に作成した「投稿時間テスト」の記事は削除します。なので該当記事の引用となっている部分は画像に置き換えました。
こちらは Hatena Blog の投稿時間のバグを狙って作った創作記事になります。
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