↑音読で楽しんでね 2025年5月30日 金曜日
2025年度 静吉チャンネル プレゼンツだよ😍
毒草の繁茂、消える下草、迫るヤマビル…静かに変わりゆく日本の山々
最近、山を歩いていると、以前にはなかったような異変に気づくことがあります。可憐な花を咲かせるはずの植物が異常に増えていたり、一方で足元の豊かな下草が消え去っていたり…。
そして、思わぬ場所で出会う生き物たち。
これらはすべて、日本の山で今、静かに、しかし確実に起きている生態系の変化の兆しなのかもしれません。
鹿が食べない「毒草」クリンソウの逆襲
鮮やかな花が特徴のクリンソウ(九輪草)。その美しい姿とは裏腹に、実は毒性を持っていることはあまり知られていません。この毒が、今の日本の山でクリンソウを勢いづかせている原因の一つになっています。
増えすぎたニホンジカは、森の下草や若芽、樹皮など、あらゆる植物を食べ尽くし、森の植生に甚大な影響を与えています。
ところが、鹿はクリンソウの毒性を本能的に知っているかのように、ほとんど口にしないのです。
結果として、他の植物が鹿に食べ尽くされて減っていく中で、クリンソウだけが生き残り、その勢力を広げている光景が各地で散見されるようになりました。
鹿の増加と「行きすぎた動物愛護」の影:消える下草
シカの食害は、もはや深刻なレベルに達しています。彼らが下草を食い尽くすことで、山の保水能力が低下したり、土壌がむき出しになって浸食が進んだりと、自然環境への悪影響は計り知れません。
美しい高山植物の群落が姿を消したり、森林の再生が阻まれたりするケースも少なくありません。
一方で、鹿の個体数増加の背景には、様々な要因が指摘されています。捕食者の減少に加え、「動物愛護が行きすぎた」結果として、適切な個体数管理が進まない現状があるという声も聞かれます。
動物たちへの配慮はもちろん重要ですが、それが生態系のバランスを崩し、特定の種の異常な増加を招いているのだとしたら、そのあり方を再考する必要があるのかもしれません。
ヤマビルと鹿の行動範囲拡大、そしてハイカーへの危険性
鹿の増加と並行して、悩ましい存在感を増しているのがヤマビル(山蛭)です。
彼らは主に鹿などの野生動物に吸血して生きる寄生生物。鹿の生息域が拡大するにつれて、ヤマビルの生息域も広がり、これまでいなかったような場所で遭遇することも珍しくなくなりました。
ヤマビルが鹿に吸血することで、鹿は痒みや不快感から、さらに広範囲を移動するようになると言われています。
これにより、ヤマビルが新たな地域へと運ばれ、生息地が拡大するという悪循環が生じている可能性も指摘されています。
この鹿の増加、そしてそれに付随するヤマビルや、時にクマなどの大型動物との遭遇機会の増加は、ハイカーにとっての危険性も高まっていると言わざるを得ません。動物との適切な距離を保つことが難しくなる場面も増え、思わぬ事故に繋がりかねない状況が懸念されます。
人気の山にも忍び寄るヤマビルの影、入笠山でのクリンソウの増加
こうした状況を鑑みると、将来的には首都圏からもアクセスしやすい高尾山のような人気のハイキングエリアでも、ヤマビルの生息地となる可能性も十分に考えられます。温暖化の影響も相まって、ヤマビルの北上や高地への進出はすでに確認されており、身近な山での注意喚起も必要になるかもしれません。
また、私が最近訪れた入笠山でも、以前よりもクリンソウの群生が増えているように感じました。豊かな高山植物で知られるこの山でも、シカの食害を避けられるクリンソウが優勢になっているのだとしたら、それは決して喜ばしいことばかりではない、という警鐘だと受け止めるべきでしょう。
美しい日本の山々が、今、静かに、しかし確実に変化しています。この変化は、私たち人間と自然との関わり方、そして生命の尊厳と生態系全体のバランスという、重い問いを投げかけているのかもしれません。
自然保護動物保護も良いですがそれも人間あってのことなので、過度の保護は何もしないままの放置と同様に、動植物の多様性の面から見ても自然環境にも良くないと思います。
猪に熊も増えているみたいだし、ニホンカモシカもあきる野市の山で見られるようになっています。何十年か後には、高尾山もヤマビル生息地となっている可能性も少なくないのではと思われます😱
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この記事は 中高年の星☆爺婆の太陽 静吉がお届けしました😎