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コーヒー一杯三千円の価値は人それぞれなのか?😎

↑音読で楽しんでね 2025年6月20日 金曜日 

 

 

2025年度 静吉チャンネル プレゼンツだよ😍

 



あらすじ: コーヒー一杯三千円に、価値はあるのか――?

コーヒーのイメージ画像

コーヒー

 

SNSで巻き起こる“高級ホテルラウンジのコーヒー論争”。

「そんな値段を払うなんて見栄だ」

「いや、価値観の違いだ」

――人々の声が交錯するなか、一人の女性・真理はその議論に静かに向き合っていた。

他者の価値観を「否定」でも「迎合」でもなく、「並ぶ」ことはできるのか。 コーヒーをめぐる小さな違和と、言葉にならない共感と対話の物語。

“わかり合えない”ままで、誰かと関わるための「余白」を描く静かな社会派ストーリー。


【第一章 コーヒー一杯三千円】

「たった一杯のコーヒーに三千円も払うなんて、信じられない」

SNSに投稿されたその一言が、思いのほかバズっていた。 真理はスマホを指でスクロールさせながら、苦笑した。 今どき、これくらいの話題が炎上するなんて。

 

「まるで“庶民感覚チェック”みたいだな……」

 

都心のラウンジでコーヒー一杯三千円。それを高いと思うか、妥当と思うか――。 論争はいつのまにか「価値観の断絶」の象徴になっていた。

 


【第二章 価値観の壁】

「どうして、わざわざ火に油を注ぐようなことを言うのかな」

友人の凌(りょう)は、ため息まじりにスマホを伏せた。 カフェチェーンのテラス席。空は青く澄んでいたけれど、SNSの空気はどこか殺伐としていた。

「“三千円のコーヒーは贅沢だ”って感想が、いつの間にか“庶民の敵を叩け”に変わってる」

「言ってることは間違ってないけど……なんか疲れるよね」

「うん。でも、怖いのは、こういうのが“日常”になってることかも」

真理は曖昧に頷いた。議論の構図は単純だった。 “高いコーヒー=見栄っ張り or 成金” vs “安いコーヒー=貧乏性 or 嫉妬”。

だけど、そんな言葉で分断できるほど、人の価値観って単純じゃないはずだ。

「ねえ、凌。もし三千円のコーヒーを“贅沢”って思わない人がいたら、それっておかしいこと?」

「うーん……“贅沢”って思うかどうかじゃなくて、“その価値を感じられるかどうか”じゃない?」

「価値か……」

真理はうつむいた。 本当は、彼女自身も三千円のコーヒーを「高い」と思っていた。 けれど、それを“否定されるべき感覚”だとも思っていなかった。


【第三章 沈黙の立場表明】

その夜、真理は久しぶりにラウンジに足を運んだ。

夜景の見える大きな窓。 深いソファ。 静かなピアノの生演奏。

店員に案内され、コーヒーを一杯頼む。 値段は……やっぱり三千円だった。

でも、座ってみてわかった。あの値段には、この“時間”も含まれているのだと。

スマホを取り出す。 例のSNSの投稿には、今もコメントが続いていた。

「見栄でしょ、そんなの」 「庶民のフリしてるけど、内心バカにしてんだよ」 「高い金払って、ぼったくられて満足してるとか滑稽」

誰かの正義が、誰かの静けさを土足で踏みにじる。

彼女は、静かにSNSを閉じた。

何も言わないことも、ひとつの“立場表明”なのだと思った。


【第四章 価値と余白】

翌週、凌と再び会ったとき、真理は話した。

「あのラウンジ、やっぱり高かった。でも、行ってみて思った」

「値段に納得できた?」

「ううん。……“納得”じゃない。“受け入れた”って感じ」

「どういう意味?」

「三千円のコーヒーは、たぶん飲み物じゃなくて“関係性”なんだと思う」

凌は黙って聞いていた。

「誰かにとってはそれが“大事な時間”で、誰かにとっては“無駄遣い”で。でもそれは、どっちかを潰す話じゃない」

「うん」

「違う価値観を、並べて置いておける“余白”みたいなものが、今の社会には足りないんだと思う」

「だから、あなたはその余白に立ちたいと思ったんだね」

真理は静かに頷いた。


【第五章 炎上の終わりと始まり】

ところがその日、真理の何気ないリプライがきっかけで、別のスレッドが再燃した。

「高級ホテルのラウンジって、空間ごと買ってる感覚ですよね」

そのツイートに、「空間を金で買うなんて傲慢」「金持ちの道楽」といった反発が集まり始めた。

真理はもう慣れていた。 でも今回は、少しだけ違う行動を取った。

「違いを許すことと、黙ることは別だと思うので、少しだけ書かせてください」

彼女は丁寧にスレッドを立てた。

空間に価値を感じる人も、感じない人もいていい。感じないなら無理して使わなければいい。 でも、感じている人の感覚を「見栄」や「欺瞞」と決めつけるのは違うのではないか。

誰かにとっての“当たり前”を、誰かの“異常”と決めつける時代。

「わからない」ままで、ただそばにいる。そんな選択もあっていい。

それは数日間、小さな波紋を呼んだ。 でも前ほどの炎上にはならなかった。

「火種」が消えたのではない。多くの人が、「それぞれの火を持っていること」に気づき始めていたのかもしれない。


【最終章 その一杯の先にあるもの】

数週間後、真理は再び同じラウンジの席にいた。

窓の外には都会のざわめき。けれどここは、まるで別の世界だった。 相変わらずコーヒーは一杯三千円。 けれど、今の彼女には、それを「贅沢」とも「マウント」とも思わなかった。

その日は、ある打ち合わせがあった。

「――この場に、いろんな立場の人を呼んで対話できないかと考えていまして」

目の前の女性は、フォーラムの主催スタッフだった。 あの日、真理の発言に心を動かされたひとりだという。

「“違いを比べる”んじゃなくて、“違いを聞く”。 そんな空間を、あなたと一緒につくれたらと思うんです」

正直、真理は迷っていた。 自分はそういう“前に出るタイプ”じゃないし、 誰かを導けるほどの「正しさ」も持っていない。

でも、頭の片隅で、凌の言葉が響いていた。

「まずは今日みたいに、同じ景色を見ながら、同じ時間を過ごすことからじゃない?」

――もしかしたら、それだけで十分なのかもしれない。

「お引き受けします」 真理はゆっくりと頷いた。

「ただし、“違いを聞く”ことを最初に学ぶのは、私自身だと思っています」

女性は目を見開いたあと、にっこりと微笑んだ。 「ええ。それが、いちばん大事なことですから」

打ち合わせが終わったあと、真理はひとりでコーヒーを飲んだ。 少し冷めてしまっていたが、それでも苦みと香りは確かだった。

スマホを開くと、また誰かが“ラウンジコーヒー論争”をネタにしていた。 けれど、もう真理は読み流すことができた。

誰かにとってそれが「無駄」でも、 自分にとっては「意味」だった。

価値観は交わらなくても、 敬意は持てる。 たとえそれが沈黙でしか伝えられなくても――。

カップを置き、窓の外を見た。

歩いていく人たち。 笑ってる人。 焦っている人。 スマホに怒っている人。 それぞれの価値観のなかを、それぞれの速度で歩いている。

わたしもまた、その一人だ。

目の前にあるコーヒーは、 単なる飲み物じゃない。 世界との関係性を、自分の手で結び直すための「選択肢」なのだ。

三千円の意味を、誰にも説明する必要はない。

でも、聞かれたら、話せるくらいにはなりたい――そんなふうに思った。

その一杯の先に、 きっと誰かとの「余白」が生まれる。 争うためじゃなく、並ぶための余白。

真理は静かに笑った。

そしてまた、一口だけ、コーヒーを口に含んだ。


【抽出珈琲マシン】
2025年5月31日 土曜日

2025年5月中旬に京都東急ホテルに宿泊しました。部屋に小さなコーヒーマシンが置いてあり、そのマシンでコーヒーを入れて飲むととっても美味しかったのです。これなら小さいので自分の家にも行けるなと思い最近購入することができました😋ネスカフェのネスプレッソ・エッセンスミニはお手軽サイズで良いな🥰

 またたまたまホテルの3,000円コーヒーSNSも目にしたので、ちょっと随筆風で物語な感じで書いてみました。

本編はカクヨムでご覧になれます。

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