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第2話・旅立ちの朝|Hatena Blogger 銀河鉄道の夜


第2話・旅立ちの朝

東京駅の深層地下にある銀河鉄道プラットホームに、早朝というのに人が三々五々集まって来る。

 

グランドトウキョウノースタワー一階にある「びゅープラザ」の案内人に銀河鉄道ジョバンニ号の乗車IDを提示することにより、係員が深層地下プラットホームへのエスカレーターレーター口までエレベーターまで案内してもらえる。

 

エレベーター口周辺はジョバンニ号に乗る際に必要な物品の購入もできる売店コンビニエンスストアーもある。

 

痩身で身長180cm以上ある肩を落とし気味な陰湿な雰囲気を持った男が、一軒のコンビニに入った。痩身な男はうつむき加減に年齢がやや高そうな女性コンビニ店員の姿を追っていた。

 

「ここのコンビニだそうだよ」と言って小学3年生ぐらいの男の子が、母親と思しき人の手を引きながら入ってきた。

 

痩身な男は男の子が手を引く女の顔をちらっと見た。

 

「似ているが違う」痩身な男は一瞬光りかけた目の色が再び曇ると、わずかに凹みのある缶コーヒーを一本選び出してレジをすませて店の外に出て行った。

 

ここのコンビニがそうだよって言っていた男の子は、目的の売り場に行って一般では売られていない懐かしいような駄菓子を幾つかを手に取って、手を引いている女に買っていいでしょうって見せた。

 

母親と思しき女は優しく頷き子供と共にレジに向かう。

 

レジの前はジョバンニ号に乗る客たち並んでいる。

 

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MSワードのクリップアート画像を使用しました。

  

◇◇◇◇◇

 

 

桔梗は銀河鉄道のジョバンニ号の昇降口の外に立って、搭乗者チェックをの様子を窺っていた。搭乗者チェックは形式だけである。

 

搭乗許可IDが発行された時点で本人確認と身辺調査はすでに終えてあり、以降は何を持ち込もうと問題にされることはない。とは言え重火器などと非合法な薬品などを除けばペットも連れ込むことが出来る。

 

ペットリストを見ると柴犬三匹、黒柴犬二匹、フレンチブルドック一匹、チワワ二匹、ウサギに亀にメダカにインコと様々なペットが連れ込まれている。毒のない蛇も数匹持ち込まれている。

 

ジョバンニ号の客車は向かい合わせの二人掛けシートがボックスとなって、中央通路の両サイドに並んでいる。

 

それぞれのボックスには窓が取り付けてあるが、この窓は透明なガラスのように見えるのではあるが強化有機液晶表示となっていて、窓としてではあるがモニターの役割を兼ねている。

 

宇宙空間を移動するときなどにはこの窓に好きな映像を流すこともが可能である。

 

客車と別に全ての乗客に対応するプライベートルームことコンパートメントが割り当てられている。

 

何か月も何年も何十年と旅立つのに客車で生活が出来るわけはないので、客車は一種の社交場的な場所となっていて、プライベートルームであるコンパートメントがジョバンニ号での生活拠点となるのだ。

 

プライベートルームでは衣食住全てがコントロールされ快適な生活を送れるようになっている。プライベートルームだけで生活をすることも出来るが、別にレストランや喫茶店もあり、レストランでは地上と同じようなサービスを受けての食事が出来るが、別会計となりおよそ地球での類似サービスと10倍の料金がかかる。

 

さらにはプールやテニスコートに映画館などの施設もすべてそろっているので、ジョバンニ号は例えれば世界一周をするような豪華客船と同様の設備を有しているのだ。ただし旧式な蒸気機関車っぽくも見えるその外観のどこにそのような設備があるのかは理解しがたい。

 

例えば我ら人類は三次元空間に存在している。

 

三次元は x.y.z.軸上にあり、それぞれに縦・横・高さによって定義づけられた空間である。しかし三次元的空間では説明できない現象も20世紀に考えられていた。

 

三次元空間ではこの宇宙の広がりは説明できないのだ。

 

四次元空間は三次元空間に織り込まれた如くに存在しているために、人間としては三次元空間としてしか認識できないが、実際はその中は無限の宇宙というほどに空間が広がっている。

 

x.y.z.+ α =は立方体の内面全てに貼り付けられた鏡の中にいるかのごとくに無現空間が広がっている。

 

実際には立方体の全内面に貼り付けられた鏡の中に映るのは自身を覗けば虚像であるが、四次元空間としてはその虚像状態が現実のものとなる。

 

この理論を突き詰めればわずか1㎝の立方体の中にも地球を含む銀河系を収納することさえ可能だ。

 

さらにはこの四次元空間の中では時間の概念さえない。

 

地球上で千年、一万年の時が過ぎていようとも、四次元空間の中で瞬きする時間ですらない。

 

しかしながらまだ現状宇宙工学ではジョバンニ号に大型旅客船一隻に匹敵するのサイズの四次元空間を組み込むのがやっとといったところである。

 

それでもボックス客車などは通路を挟んで左右に10ボックス設置されているが、実際は織り込まれているため利用人数に応じて100ボックスまで拡大することが可能なのである。

 

さらにはジョバンニ号は宇宙海賊船と対抗するべく装甲化されているのだが、これも四次元的装甲であり、外見的に蒸気機関車のようにしか見えない。

 

が、装甲だけでなく。地球クラスの惑星を消し去ることが出来るだけの戦闘能力をも有しているのだ。

 

そんなジョバンニ号の機関手が行入である。

 

行入はコマンダー室に於いて乗客のチェックを検分している。モニターに探していた顔が表示される。

 

「いらっしゃいませ竜二様。ようこそジョバンニ号にお待ちしておりました」桔梗が搭乗者チェックを受けていた竜二に声をかけた。

 

桔梗の声で竜二の搭乗者チェックはすぐさま終了した。竜二は手提げのトランクのチェックを回避できた。

 

「ああ、あんたは?」

 

「ジョバンニ号の車掌の桔梗と申します。快適な旅になられるようお取り計らいする者でございます。竜二様、どうぞよろしくお願いいたします」

 

「そうか、車掌なのか、きれいなうえにグラマーだなあんた…」

 

「桔梗です」

 

「そうか、おれは竜二だ。竜二『様』じゃなくて竜二でよい」

 

「乗客様を呼び捨てにはできませんので、分かりましたそれでは竜二さんでよろしいでしょうか」

 

「そうか、好きにしな」

 

「竜二さんの目的地は、 アンドロメダ銀河ですか?」

 

「・・・」

 

「四次元空間移動で絶対時間的に時間の進みはありませんが、相対的時間ではアンドロメダ銀河まで254万光年の時がかかります。ジョバンニ号でも到達できるかどうかですね」

 

「・・・あんたが、いや車掌さんが、おれの旅行目的を推測してくれる必要はないぜ」

 

「失礼しました、竜二様、さん。どうぞご乗車くださいませ」

 

「そうか、長い旅だから、まあよろしく頼むわ」

 

車掌の制服はブリティッシュ・エアウェイズによく似ているが、色目は純白でシルエットが印象的なパンツスタイプキャビンアテンダントスタイルだ。

 

そんな純白のキャビンアテンダントスタイルで身を包んだ桔梗は「かしこまりました、何なりとご用命ご相談くださいませ」そう言って、これまた純白のキャビンアテンダント帽子乗せた頭を竜二に対して深く下げた。下げた頭の髪の色は烏の濡れ羽色にふさわしい色艶であった。

 

◇◇◇◇◇ 

竜二はジョバンニ号のボックス席の窓側に腰を下ろした。プラットホームから発射する様子を見たいと思ったのだ。

 

上着から電子タバコを取り出すとスイッチを入れた。ジョバンニ号では規制薬物以外であれば嗜好品をたしなむことは禁止されていない。電子タバコ自体は既に副流煙対策などの問題は解決されている。

 

電子タバコを吸って口から白い煙状のものを吐き出す。タバコを吸ってその煙を吐き出したような疑似的雰囲気は、タバコを吸うという行動を補足し満足させるためのもので、他に害を及ぼすことは一切ない。

 

次から次へと乗客がジョバンニ号に入ってくる。老若男女、ひとり、ふたりに、ペット連れに、子どもを連れた家族もいる。それらを横目で竜二は見るともなしに見ていた。

 

それぞれが手荷物を持って割り当てられたコンパートメントへと向かう。手荷物以外の生活に必要なものは事前にコンパートメントに運ばれている。

 

いったいどれほどの人数が乗車するのだろうか。ジョバンニ号の定員などは一切公開されていないので、どれほどの乗客がいるのかもわからない。また東京発ではあるが異世界で既に乗客が乗り込んでいる可能性も高い。

 

そんなことを考えながら竜二がプラットホームの方を見ていると、エスカレーターを駆け下りてくるものがいる。若い小柄な男の子だ。眼鏡をかけてる。

 

搭乗者チェックで鉄郎と名乗っていた。乗り遅れそうになって必死でやって来たようである。あわただしいが正直そうな雰囲気を持った、年のころなら15歳前後の少年のようである。

 

◇◇◇◇◇ 

 

 

 「なんとか間に合ったあ」そう言って、鉄郎は竜二の反対のベンチシートに腰を下ろした。普通なら自分のコンパートメントに移動する乗客の方が多いのに鉄郎は客車のボックス席、それも竜二のいるボックス席にやって来たのだった。

 

「お兄さん、お兄さんはどこに行くの。ぼくはアンドロメダまだ行くんだよ」

 

竜二は他に誰かいるのかと思って首を右に回して自分の座っているベンチシートを見た。誰もいない。こいつおれに話しかけてるのか、物怖じしない男の子だなと思った。が、嫌いではない。

 

「そうか、おれもアンドロメダまで行くんだ」

 

「お兄さんも機械化人間になりたいの。ぼくは機械化人間になってターミネーターみたいな体を手に入れたいんだ」

 

「そうか、えっと、君は機械化人間になりたいのか」

 

「失礼しました、ぼく鉄郎といいます。地球年齢で15歳です。強い体を手に入れて悪い奴らをやっつけてやりたいんです」

 

「俺は竜二だ、正義感が強いんだな。よろしく頼む」と言って、鉄郎に右手じゃなく左手を差し出した。右手は電子タバコを持っていたのだ。

 

鉄郎はちょっとびっくりした目をして、自分の左手をズボンでなんどか拭くようにしてから竜二の手を握った。竜二の手は温かい手だった。

 

「ぼくの方こそよろしくお願いします」

 

「竜二お兄さんはアンドロメダへなにをしに行くのですか」と鉄郎は続けて言った。

 

「おれはこの右手の秘密を探りに行きたいのさ」

 

鉄郎が意味不明な顔をして竜二を見た。

 

「右手がどうしたの?」鉄郎が聞く。

 

竜二は持っていた電子タバコの火量を最大限に上げた。電子タバコの先が真っ赤に燃える。それを竜二は右手の甲に押し当てた。

 

電子タバコの火口を押し付けた竜二の右手の甲はじじっと焦げて肉の焼ける匂いがして、皮膚が少とろけて骨が見えた。そんな光景を見た鉄郎は目を見開いて怖がった「竜二さん止めてよ」と、小声で言うのが精いっぱいだった。 

 

そこに桔梗が来て「竜二様、少年を驚かせるものじゃありません」と竜二をたしなめていた。鉄郎はベンチから立って桔梗の元に行き後ろに隠れるようにしていた。

 

「大丈夫よ鉄郎さん。竜二さんの右手は機械化人間の右手なの。皮膚も筋肉もすぐに自動修復されるわ。だからあんな無茶をするのよ」

 

「鉄郎は恐る恐る竜二の右手甲を見つめると、じわじわと皮膚が再生してなにごともなかったかのように右手の甲は元のように戻った」

 

「うわあ、凄いや竜二さんは機械化人間だったの」一転して鉄郎は竜二を尊敬するまなざしで見つめながら言った。

 

「えっ、でも左手は温かかったよ?」鉄郎は先ほどの握手を思いだした。

 

 「いや、右腕だけが機械化人間のようなのだ。なぜか、それはおれにも分からない。その秘密を知るためにアンドロメダ星雲の二重恒星系にある機械化惑星であるエレモワ行きたいのだ…」そう竜二は自分を納得させるかのごとくに言った。

 

ぼーっ、ぼーっ」約1秒吹鳴させる太い短音を鳴らした。ジョバンニ号発車の合図だ。コマンダー室にて行入は亜空間航法タキオン粒子の加圧を続けていた。

 

<ジョバンニ号は発車します。どなた様もご着席ください。>

 

再度汽笛が「ぼーーーーっ」5秒程度長音吹鳴するとともに、ジョバンニ号はプラットホーム全体に広がる虹彩に包まれ、低い重低音と共に東京駅深層地下にあるプラットホームから姿を消した。

 

◇◇◇◇◇ 

 

 銀河鉄道の夜の物語を進めるために、急ぎ旅立ちの朝を作文しました。稚拙ではありますけど、何とかこれで異世界に旅立ってくださいませ。次こそは第四話以降として、誰か様よろしく願いします(^人^;)

 

※機械化人間は不老不死に繋がる人類の永遠の命のテーマであり、未来に於いて欠くべかざる医療技術の一端と捉えてください。機械化人間自体は銀河鉄道の夜の主要モチーフではありません。

 

 銀河鉄道999鉄郎を出したのは、先駆としての銀河鉄道999へのオマージュです。これから先もいろい色なアニメや映画書籍などに対するオマージュ的要素を加味して行きます。

 

※いろいろな設定は後々の伏線に利用していただければであって、現時点ですべての伏線に対しての方向性などはなにもありません。

  

銀河鉄道のジョバンニ号の停車するステーションはご自分独自の世界感を構築をすることが出来ますので、既成概念に縛られることなく自由な発想でなんらかの感想文的なことや物語の舞台設定が出来ます。

 

例えば大ヒットしたETや未知との遭遇のその後やその前なんて物語も可能ですし、過去時代にも行けますので時代劇物語も可能です。

 

こんな設定ですが、Blogger の皆様何か書いてみませんか。お書きになりましたら連絡くだされば順番に『HB 銀河鉄道の夜 総目次』に収録させていただきます。 

 

 


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銀河鉄道の夜 総目次