じじいの婚活・PART 5
2019年9月5日
ああ寂し ああ寂しきや ああ寂し
人恋し ああ人恋し 人恋し
気楽だよ 気楽だけれど もの寂し
じじいの婚活はこんな三行詩みたいな気持ちゆえのもの、この三行詩のような思いをしている方は、この世に少なからずいらっしゃるだろう。
私が行くスナックで女房が大好きだったというらしき、歳として先輩の方がたまに訪れます。何度も顔を見るので挨拶をします。
私がスナックに行くのは、人恋しいので誰かと会話したくて行く面と、カラオケを唄いたいというのと、運動で散歩もかねてなのでこれも三位一体な想いでの行動です。
先の女房大好きだった先輩風な方は、「だった」と書いたように妻に先立たれてしまったようです。この辺は店のママさんから聞いた事です。
その方は店でカラオケを一切唄いません。
歌は好きなようなので、たまには唄ったらどうですかと言うのですが「私は唄わないんだ」で一度も歌を唄ったことがないのです。
歌を唄わない人はいないわけじゃないけど、スナックに来るような人は何らかの表現をしたい人が多いので、歌が下手だけど唄ってみたい気持ちはどこかに持っているとはずだと思う、のが私の考えです。
なのでアルコールで酔いが回ると歌を唄い出すなんて方もいます。
しかしその「私は唄わないんだ」の方は一切歌を唄いません。
それでその客がいないときにママに、あの方は歌は好きそうなのに本当に歌を唄いませんねえって話しかけました。
するとママが
「奥さんを亡くしてねえ、それから唄わなくなったのよ」
って教えてくれました。
奥さんを亡くして歌を唄わなくなったって、歌を忘れたカナリヤじゃあるまいにと思いましたけど、ママが続けて
「もうかなり前の事なのに、夫婦でお出でになって二人でよく歌を唄っていた方なのだけど、奥さんを亡くしてから歌を唄わなくなったのよ」
「唄うと涙が出ちゃうんだと思うの…だから、唄わないのよ」
と話してくれました。
ああ、辛い話だなって思った。
でも本当に妻を愛していたんだなあって思いました。
たぶん年齢からしてもこの方は、この先も妻の面影と寄り添って生きていく道を選んだんだなあって思いました。
その方はどちらかというと、問われれば話す程度で寡黙な方です。
こんな方だから、スナックで静かにお酒を飲んで少し冗談を言ってから暫しの時を過ごして帰られる上品な男性です。
帰る後姿がいつも寂しげな雰囲気があります。
ああ寂し ああ寂しきや ああ寂し
人恋し ああ人恋し 人恋し
気楽だよ 気楽だけれど もの寂し
生きおるに 一人寂しく けふも暮れ
虚ろにて 命費える 時待つや
昨夕に散歩に出ようとしたら短パンにティーシャツでは寒く感じたので、ジーンズを取り出し履き替えてえ出ました。
秋は、猛暑の隣で控えていたのですね。
じじいはじじいなりにじじ婚活を頑張りましょう。
婚活でも頑張ってるって嘯いて、指先を動かしてブログっていれば気も紛れる私は、そう、お気楽人間なんだもの (´▽`)
◇◇◇◇◇
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