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黄色い戦争


皇帝の末裔

2020年3月21日 

 

 「わずか10000人程度が死んだからなんだって言うのだっ!」と、上背もあって恰幅の良い男は叫んだ。

 

怒鳴り散らす大男は、ニュースで見る柔和な顔をして薄っすらとはにかんだような笑みをたたえて登場する、その同じ人物とはとても思えなかった。

 

「やっと今、世界に拡散が始まったところなのだ。どんどん人を世界各国に秘密裏に送り込むのだ。いいか、分かっているのかあっ」

 

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「しかしながら、順調に拡散しております。これもご指示の賜物であります」と一人の男が言うと、すかさず「だまれ、貴様はこの程度で成果が上がったとでも思っているのか?」

 

上背があって恰幅が良い男は「あーん?」と言いながらその男に詰め寄るように言い放つ。上から降り落ちるかのような言葉のパワーに男は気後れするしかなかった。

 

「2000年から我々は機会が来るのを狙っていたのだぞ。今年はいったい何年なのだあ2020年じゃないか。2020年だぞ、この意味が分かるのか。我々はあれから20も歳をとってしまったんだぞ。このまま行けば…」

 

恰幅があって上背もある男が怒鳴りまくっては、周りの者は誰もが縮み上がるしかなかった。

 

皆が一応に頭(こうべ)を垂れ気味にする中に、一人だけが顔を赤くして怒鳴る男を真正面から見つめていた。

 

「おおチュウロン、ブージンよ。期待はお前ばかりだ」恰幅の良い大男はそう言って、痩身な男に両手を差し出しながら寄っていた。

 

同じように両手を差し出した痩身な男の両手は、恰幅の良い大男の両の掌の中に包まれて激しくゆすられていた。

 

痩身な男も恰幅の良い男と同じ上背を有していた。

 

お互いに顔を見つめ合うがそれは上下関係がはっきりしたしぐさであり、痩身の男は一歩も二歩も引いて、尊大な様子は微塵も出さなかった。

 

というよりそんな大それた態度は生まれてこのかたしたことも無いのだ。

 

「よしよしブージン、報告しろ」と恰幅の良い大男が痩身の男に促す。

 

「はい、それでは報告させていただきます。

 

結論から申しますと症状が緩和され快方されたかに見えても、このウィルスは日和見ウィルスですから宿主の気力が落ちたときには症状を再発させることが出来ます。

 

故に、一見快癒したかに見えても、実際は帯状疱疹ウィルスと同様に脊髄近くの神経節部分に隠れ潜んでいます。

 

そして宿主が疲れや強いストレスを受けて精神的ダメージが強いとき、あるいは病気や事故などでもこの日和見ウィルスは再活性してきますので、ウィルスをばら撒きながら宿主を死に追いやる確率が非常に高くなります。

 

それゆえこれから少しずつ死者が増えだし、その増加曲線が放物線状となってピークに達した一か月後に、激しい人口減少は最大値ピークを迎え地球上の人間の90%が死滅すると思われます」

 

「うん、うん、それが望みだ」と、恰幅の良い大男は自分のおでこをぴしゃりと叩いてみせた。

 

「イギリスにはアヘンで蹂躙され、その後は日本軍に蹂躙されラストエンペラーとなる溥儀をして傀儡国まで作られてしまったが、我らの偉大な漢民族が辛酸を舐めつつ世界の下請け工業国と揶揄されながらここまでのし上がってきたのだ。今こそ世界に冠たる中華人民14億のパワーを知れ」と恰幅の良い大男は吠えた。

 

続けて恰幅の良い大男は熱を帯びたかのように言った。

 

「14億もの人民にとって、1万や2万の死亡者がなんだというのは、こんな数は九牛の一毛にもなるものか。

 

もう世界はいらない。

 

この世界は我ら漢民族だけのものにするのだ。

 

漢民族だけが地球上の資源を利用するならえいえんに漢民族は栄えるのだ。

 

その悲願が叶うとき、ついにバイオハザードの世界が来るのだ!!

 

コウモリからウィルスが人間に伝染したと思われる新型コロナウィルスは、誰にも疑われることも無く世界に蔓延を始めた。

 

見るがいい、新型コロナウィルスで世界は鎖国状態になりつつある。

 

マスクは手に入りにくくなり、食料品の貿易も止まり出しトイレットペーパーや食料品までの買い付け騒ぎが始まっている。そのうちには物資をめぐっての紛争も起きるだろう。一石二鳥というものだ。

 

どこよりも安く製品を納める。

 

 それは全て我国が世界の縁の下の生産工場に忍従していたからこそ、世界が回っていたってことを思い知るが良いのだ。

 

 中華人民共和国があっての世界になっているのだ。

 

 だが地球人口は70億に達し無駄な物資とエネルギーを消費し過ぎている。

 

 中華人民共和国にとっては50億以上の貴様らの方が、寄生虫以下のウィルスであるとさえいえるのだ。

 

寄生虫以下の50億人以上のウィルスを殲滅することに、何の問題があろうやだ。

 

中華人民共和国が世界で超大国となって返り咲いた今こそ、我が中華清王朝の太祖である愛新覚羅奴児哈赤*1の野望がここに蘇るのだ。

 

なに、しかも、これは手始めに過ぎない」

 

しかしながら愛新覚羅などは満州人であってそもそも漢民族ですらないが、ここは中華民国の世界征服その名を利用しない手はないのだ。

 

清の時代以降漢民族を支配していたのは漢民族の皇帝ではなく、満州族ヌルハチ清王朝の太祖とはな元は蛮族たる女真族の癖に我ら漢民族支配下におきくさりて。

 

女真族と言えば馬のオシッコで顔を洗い体も拭くという。

 

馬と共にあった殺戮能力にたけた野蛮な騎馬民族だ。

 

との思いが恰幅の良い漢民族の大男にはあるが、今はまだヌルハチの名は中華にとって利用しやすいのだ。

 

そしてジンギスカーンも成し得なかった世界を征服することが、漢民族の力で叶うのだ。

 

「もう間もなくパンデミックが起きる。そうなったときには世界が終わる。世界が終われば労することなく、我ら漢民族14億人がこの世界隅から隅まで支配するのだ」

 

「2003年の時のSARSは手始めに過ぎなかった」

 

重症急性呼吸器症候群SARS)は封じ込まれたというより、あの時はまだ漢民族のみ復活させらる遺伝子は組み込まれていなかったのだ」

 

「今度の新型コロナウィルスには、漢民族悲願である遺伝子が組み込まれているのだ」

 

「ぐふぉっ」と蒸せるような咳をして恰幅の良い大男は倒れ込んだ。

 

「主席!」と方々から声が…

 

「これでいいのだ、これで。新型コロナウィルスによってわしが死亡したことを世界に示せれば、今回の新型コロナウィルスが中華人民共和国生物兵器による世界侵略陰謀説を言い出すものはいなくなるだろう。

 

そして、わしは一週間後に復活するそうだろうブージン…

 

その時に世界は終焉し、中華人民共和国が不死鳥のごとく蘇り、地球の全てを支配するのだ・・・くっくくくっ、うっ!」

 

大男の息が絶えた…

 

「おい!」と、倒れた大男に先ほどチュウロン、ブージンと呼ばれていた痩身の男が声を発した。

 

「はっ、愛新覚羅 溥晋皇帝陛下様」

 

そこに、すかさずの雄叫びが入る。

 

 アイシンギョロ・ブージン!

 アイシンギョロ・ブージン!

 アイシンギョロ・ブージン!

 アイシンギョロ・ブージン!

 我ら女真族ヌルハチの栄光を!

 

と、方々から雄叫びが上がる。

 

「此奴をさっそく荼毘に付せ、そして骨まで灰にしてしまえ。その後に黄河に流すのだ。此奴は死してまでもはにかんだような笑い顔が一層不愉快」

 

「はっ、承知しました。早速に荼毘に付して仰せの通りに」と答え、拱手しつつ後ろに下がる。

 

愛新覚羅 溥晋(アイシンギョロ・ブージン)は、文繍が当時の政治的思惑から溥傑と離婚し隠れて産み落とした溥鎧の長子であるが、そのことを知るものは皆無でありしっているのは極一部の満州人のみである。

 

愛新覚羅 溥晋はそれほど密やかに育てられ、チュウロン、ブージンとして時の権力の中枢へと組み込まれて機を窺っていたのであった。

 

そして中華の全権を新型コロナウィルス生物兵器に乗じて掌握したのだった。

 

このクーデターと全世界制服のダブルチャンスこそは、既に少数民族となってしまった満州人の中でもヌルハチの子孫の悲願であった。

 

「余は、紫禁城へ参る」と、再度登場し踵を返した溥晋の服装は、まさに愛新覚羅溥儀が着ていたかの如くの、今後は皇帝以外身にすることも叶わぬ黄色の清朝皇帝の装いであった。

 

「今後の政務は、全て紫禁城から勅旨する」

 

 アイシンギョロ ブージン!

 アイシンギョロ ブージン!

 アイシンギョロ ブージン!

 アイシンギョロ ブージン!

 我ら女真族ヌルハチの栄光を!

 

と、またしても雄叫びが上がる。

 

正しくその時、新型変異性コロナウィルス対策として、アメリカ、イギリス、ソ連から発射された弾道ミサイルが中国大陸を中心に世界各国に向けて発射された後であった。

 

紫禁城に向かう最中(さなか)空が明るくなり、溥晋(ブージン)はそれこそがまばゆく輝く世界であり、これからの皇帝としての我が身を称賛しているのかと思ったが…時遅くも、意識は薄れ溥晋の身はたちまち燃え尽き昇華し消えてしまった。

新型コロナウィルスの中に漢民族の遺伝子を突き止めた学者の見解はウィルスの遺伝子に隠された秘密を紐解き、このままではこのウィルスによって全種族がやがて滅び尽くされ、地球に人類は生き残れないだろうとの予測結果であった。

 

唯一の望みは、地球上にあるすべての弾道ミサイルで世界各国に進出している新型コロナウィルスを燃やし尽くすことだ。

 

そしてわずかでも生き残った多様性ある遺伝子の人類に、未来を託す苦汁の選択が中国を除く主要な世界各国の首脳で可決されていた。 

 

生物とも無機物とも言えないウィルスは熱に弱い。

 

浄化の炎が地球を焼き尽くす・・・すでに選ばれた新型コロナウィルス体内に有しない人々が高深度地下シェルターに避難済みである。

 

その後、核の冬が数百年続いた…

 

2620年

 

かつて日本と言われた地

 

 

桜の花が咲き乱れている。

 

一人の男が歩いていた。

 

そのあとを追う女と、女の手を握った子供が男の元へ駆けてくる。

 

「おとうさ~ん、ツクシが出ていたよ」

 

「おお、溥悠よ」お父さんと言われた男が振り向き、我が子でもあるラストエンペラーに声をかけ抱き上げた。

 

春の温かい空気の中に紛れ込んださわっと冷たい一陣の風が、過ぎ去って行った…

 

---注意---

この物語は完全フィクションの創作物語です。

同一国家名称があってもリアリティを出すための単なる創作です。

 

◇◇◇◇◇

 

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*1:アイシンカクラ・ヌルハチ=アイシンギョロ・プーイー。