連続ツイッター小説【呼ばわりの山】😎 - チコちゃんに叱られないブログ

2022年5月30日

拝、灰、廃、獰猛どうもうです。

中高年の星☆爺婆の太陽の静吉プレゼンツでございます😍

ツイッターで朝ついのおりに連続小説っぽいものをツイートしています。

同時に複数の小説やショートショートもなどもツイートするので、ツイートが飛び飛びになっていたりします。これはそのように意図してあるからなのですけどね😅

一度にワンプロット書くのはしんどいのですが、挨拶やタイトルまで含めてツイッターの文字制限数140文字で書くのは自分にはちょうどよいみたいです。

朝ツイは毎日していますけど日によって投稿のタイトルが違ったりしますので、単独ツイートを見ただけではわかりにくい内容になっているかもしれません。

まあ、これは自分のために書いている節もあるのでそれで良しとします😍

ツイートなんて流れるだけのものだからだけど、自分にとっては作品ですのでブログにそれら小説風的なものをまとめて収録しています。

【呼わばりの山】と言うのは八王子の今熊山に登山したところ山頂に今熊神社の奥社がありまして、その裏手に茶碗の架けたものなどが幾つか見られたのでちょっと気味悪いなあと思って今熊山のことを調べましたら、この山が失せ物や失せ人を呼び戻す呼わばり野山としての因習があるとのことでした。

つまり行方知れずになった人のなにかの印になる茶碗などを持って行き、山頂で割って供えることで行方知れずになった人が戻ってくるなどの言い伝え的なものがあるらしことがわかりました。それでそのことでなにかお話ができないかと思って始めたのがツイッター連載小説ふうな【呼わばりの山】です。

おはようございます😋

呼わばりの山…1
ある時ゴン作の妻ヨネが山に入ったまま帰ってこなかった
それでゴン作は毎日今熊山で今熊神社様にヨネが帰ってくるよう祈った
ある夜ゴン作の家の戸を叩く音がした
するとヨネがぼーっと立っていた
ゴン作は大層喜び今熊山様にお礼参りを何度もしたそうじゃ
— 静吉😋 shizukichi 公認 (@i_shizukichi) March 26, 2022

おはようございます😋

呼わばりの山…2
それからゴン作とヨネは夫婦仲良くいつまでも仲良く暮らた
ふたりとも働き者なのでいつしかゴン作は立派な小作人頭となった
ふたりとも歳をとった
ヨネ、あの世で待っとるぞ
そう言ってゴン作は幸せそうな顔をした
ゴン作は寿命が尽き眠るような大往生じゃった
— 静吉😋 shizukichi 公認 (@i_shizukichi) March 27, 2022

おはようございます😋

呼わばりの山…3
ヨネも歳をとって顔はしわくちゃだったが、ゴン作の葬儀を終えてからいつしか村から消えてしまった
村人は四十五日じゃで山に呼ばれたのかと噂した

それから何年もして後のこと
ある村で、ヨネに似た若い女子が村の若い衆と夫婦になった。
そして再び時は流れ
— 静吉😋 shizukichi 公認 (@i_shizukichi) March 28, 2022

おはようございます😋

呼わばりの山…4
ヨネと村の若い衆は歳をとり、若衆が爺衆となってあの世に旅立つ寸前に
ヨネよ、お前が女房で幸せだった
あの世でもきっと夫婦になろうな
あの世で待ってるぞ
と言ってあの世に旅立った
葬儀が終わるといつしかヨネの姿を見かけなくなった
ヨネはよそ者じゃでの
— 静吉😋 shizukichi 公認 (@i_shizukichi) March 29, 2022

おはようございます😋

呼わばりの山…5
ヨネはよそ者じゃでと言われるように、ヨネの生い立ちを知っているものは誰もいなかった。ヨネでさえもう自分が誰なのか忘れていた。ヨネは三千世界を彷徨ってあるときは雪女の伝説となり、鶴の恩返しの鶴のように思われたりとあらゆるおとぎ話に登場していた。
— 静吉😋 shizukichi 公認 (@i_shizukichi) April 2, 2022

おはようございます😋

呼わばりの山…6
ヨネは1912年処女航海のタイタニック号に乗船していた。丹精で人種不詳な顔立ちでもあったヨネは、多くの遺産を受け継いでローズと名乗り世界を旅し、いつしか英語も流暢に話せるほどになっていた。婚約者も一緒だがそんなローズに一目惚れした男がジャックだ。
— 静吉😋 shizukichi 公認 (@i_shizukichi) April 4, 2022

おはようございます😋

呼わばりの山…7
ヨネは荒野を歩くともなしに歩いている。これまでにいかほどの愛する男を見送ってきたか数しれない。文明の消滅と文明の発達の繰り返しさえ見てきた。
そしてヨネはいまだに20前後の美しい姿をしている。しかしヨネの眼の色は闇よりも暗く深い憂いで溢れていた
— 静吉😋 shizukichi 公認 (@i_shizukichi) April 5, 2022

おはようございます😋

呼わばりの山…8
入水を試みたこともある。
首も吊ってみた。
電車が出来てから電車に飛び込んでみたこともある。
なにをしても死ぬことが出来ないのだ。
ヨネはこのことを、多くの男を愛した罰ではないかと思い始めていた。
数多の数夫婦になったがヨネに子は出来なかった。
— 静吉😋 shizukichi 公認 (@i_shizukichi) April 11, 2022

おはようございます😋

呼わばりの山…9
ヨネは三千世界を彷徨い歩いた。
彷徨えば彷徨うほど心の中には暗く冷たい風が吹き荒ぶだけだった。
ヨネはどうして私はこんな永久な命を得ているのだろうと、何年も何十年も何千年も何万年と悩んだ。それこそ幾星霜、まさに星が煌めき消えて行く時間ほどもだ。
— 静吉😋 shizukichi 公認 (@i_shizukichi) April 16, 2022

おはようございます😋

呼わばりの山…10
ヨネは五劫の擦り切れほどの時を経て、自分の意識体が自由に空間を移動できることがわかった。
空間を移動した先に、自分の体を再構築することもできるようになった。
そして時の中さえ移動でできるに至って、ヨネはこのことに驚きと大いなる喜びを見出した。
— 静吉😋 shizukichi 公認 (@i_shizukichi) April 23, 2022

おはようございます😋

呼わばりの山…11
ヨネは時空を移動する能力を使い、あらゆる時を超えあらゆる世界を旅した。
ある星では生命が誕生し、時間を追うごとに多様な生物が出現し争い、滅び、また生まれ、いつしか宇宙に旅立って行った種族もいて、高度な知能を有していたが意思疎通は全く叶わない。
— 静吉😋 shizukichi 公認 (@i_shizukichi) May 20, 2022

おはようございます😋

呼わばりの山…12

数多の外宇宙を巡り知的生命体に接触もしたが意思疎通そのものは不可能だった。それこそ知的生命体がヨネを見る目は人間があり得ないもの、それこそ亡霊でも見るかのような戸惑いばかりであった。

知的生命体の中でさえもヨネの孤独感がより深くなった。
— 静吉😋 shizukichi 公認 (@i_shizukichi) May 27, 2022

誤：呼ばわりの山…12
正：呼ばわりの山…13
— 静吉😋 shizukichi 公認 (@i_shizukichi) May 28, 2022

おはようございます😋

呼ばわりの山…14
トントン…
夜更けにゴン作の家の戸を叩く音が
寝てはいたがゴン作はドアを叩く音にゴン作はヨネが帰ってきたと思った。いや、そう確信した
ヨネ！
ゴン作は大きな声を出しながら戸を引き開けた
だが、そこに立っていたのはヨネではなかった
…ど、どちら様で
— 静吉😋 shizukichi 公認 (@i_shizukichi) May 30, 2022