チコちゃんに叱られないブログ

人生は雑多なのです😋

1日30万円でアルバイトお願いします😎

タイトル

2021年1月8日 

 

コロナコロナの妄想劇場、廃、獰猛どうもうです。

中高年の星☆爺婆の太陽 の静吉プレゼンツでございます😍

 

  1日30万円でアルバイトお願いします。

とあるビジネスホテルに入室するときにすすっと近寄って来た女がいた。この女おれが恐くないのか。

 

傍に寄って来た女は「1日30万円アルバイトお願いします」と言った。

 

「はい?」

「えっええ!」

「なに言ってんの?」

「ホテルの人」おれは続けざまに短い言葉を幾つか発した。

 

「違います」と女ははっきりと言った。

そして

「立ち話もなんですから、あの、中に入りませんか?」と続けた。

 

カードキーで部屋のロックは解除したので中に入ろうとした自分に、女は畳みかけるように声をかけておれを部屋に押し入れる様にしながら入ってきた。

 

「ちょま、なに君」

「1日30万円のアルバイトを頼みたいの」女が言う。

 

「なにそれ」

 

 「一日だけのアルバイトです」

 

「だからそれなんなの?」

 

「言ってるでしょうアルバイトって」

 

「そういう意味で聞いているんじゃないよ。ここ何処だか分かっている?」

 

「新型コロナ感染者で症状が軽いけど家族に感染させないための宿泊施設だわ」

 

「それが分かっていて…君も感染者か?」

 

「いいえ、私は感染していないわ」

確かに女は微妙化感覚で男に近づいても接触はしないしない。さらに、よく見れば手にも医療用のような薄いビニール手袋をしている。

ズボンはパンツに、頭はヤッケでウィンドブレーカーのようなものを来ている。

大きな丸いサングラスみたいなメガネをかけていて、三級映画によくあるような、まるで怪しい女そのもののスタイルだ。

 

とある資産家の高齢者女性が新型コロナウィルスに感染して亡くなった。

新型コロナウィルスを治す薬はない。

 

感染して症状が出たら対処療法でしのぐしかないが、それでも急変して人工呼吸器のが必要になると人工呼吸器を動かしても助からない人が出てくる。

 

それが高齢者だ。

 

子供や若者の症状は軽く高齢者や何らかの疾患を持っている場合には容体が急変することがある。有名なコント役者の志村けんが亡くなったというのもそれゆえだ。

 

金があるとかないとか関係がないのだ。

金があるからと高価な薬を投与して治せるというものではないのだ。

 

葬式はこんなご時世だからと子供が一人で執り行った。

子どもと言ってももう50も半ばの女だった。

 

このことを誰も不思議に思う人も身内もいなかった。

高齢者の母が新型コロナウィルスでなくなったそれだけのことだった。

 

新型コロナウィルスでの死亡率は2000人に3人である。

その死亡者の多くは高齢者なのである。

 

女は母親の遺産を全て受け継いだ。

 

女である娘を溺愛してくれた父はすでに亡くなっていて、娘は母から資産管理の手伝いをわずな給料として貰い行ってきた。

 

父が亡くなった時、遺産相続も母が全部引き継ぐということで了解した。

母は、私が死ねば資産は全部あんたのものになるんだから、と言って父の資産は全て母名義となった。

 

娘は一人で元は父名義のマンションの一室に住んでいるが、そのマンションの部屋代も母からもらう給料から天引きされていた。

 

父が亡くなった時に父の思い出的な形見分けとして、父のローレックスをくださいと母に言ったところ、母は「まだ駄目。あたしが死んだらあんたのもんだからそれまで待ちなさい」と言った。

 

それから20数年が経った。

 

新型コロナウィルスで世の中が騒がしくなると母は外に一切出なくなった。買い物もすべて娘にさせるし、病院に逝くときは待合室で待つとコロナが移りそうだからいやだと、娘の車の中で順番待ちをしていたほどだ。娘というか女は女中同然であった。

 

母はまだ80歳。

 

人生100年時代とは言うけれど、この母は本当に100歳ぐらいまで生きそうだ。

女は自分が50も半ばを過ぎて、ひょっとしたら自分の方が先に逝くのではないかと思ってしまった。

 

女は結婚もしたことがあるが、母がなにかと口出しをしてくるの。

そればかりが原因ではないが結婚後数年してから、段々と夫と不仲になってついには別れてしまった。

 

「なにをして30万円くれるんだ」

 

「なにもしなくていいわ」

「ただこの部屋で過ごした1日分のものをこのビニール袋に入れて欲しいの」

 

「バスタオルやフェイスタオルなどたくさん持ってきたわ。汚さないように息を吐きかけたり顔を軽く拭いたりしてください。あくまでも使用感が出ない程度に」

 

「マスクはこの不織布マスクを装着して深く数回呼吸をして直ぐに外してこのビニール袋に入れて戻して。10枚のマスク全部よ」

 

「これらの品物もさりげなく手に息を吐きかけてから触れて欲しいの」

「直接息を吹きかけてくれてもいいわ」

女が持ってきていたものは、ビューラーやヘアーアイロンなど女が使う様々な小物だ。化粧品小瓶さえあった。

 

「お前、何をするつもりだ?」男が聞いた。

 

「あなたには関係ないわ」

「あなたが知れば、あなたが大変なことになるだけよ」

 

「・・・」男は、この女がなにをやろうとしているのか、大体の想像がついた。

 

「やるのやらないの?」

 

「お前は俺の部屋から出たごみを持って行くだけだよな、それで30万円間違いないか」

 

「そうよ、あなたがやらなければ他を当たるだけ」

 

「後腐れは無しだぜ」 

 

 

この記事は 中高年の星☆爺婆の太陽 静吉がお届けしました😎 

 

◇◇◇◇◇

 

 

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